お金だけではなく『立ちゆく環境』を遺す
8050問題の解決をお手伝いしたお話
実際にココ・ガーディが対応したケースを個人特定を回避するために少し改変してご紹介いたします。ご了承ください。
80代の男性Bさんには3人のご子息がありました。長男のCさん、二男のDさん、そして長女のEさんです。伴侶は数年前に亡くなり、Bさんはある地方都市で50代の長男のCさんと二人暮らし。Dさんはご家族と海外勤務、Eさんは嫁がれて首都圏に在住されていました。Cさんは長年ひきこもっており就業経験はなく、精神疾患を患われておりました。
Bさんは自らが歳を重ねるごとにCさんのことが心配でならず、ココ・ガーディにご相談をいただきました。そのとき、Bさんが自らの死後どうするべきかと漠然と考えられていたプランは、Cさんはこれから働くこともできずお金がかかる。よって、唯一の財産と言っていい市街地に建つ一軒家を長男に相続させ、経済的に自立しているDさんとEさんには申し訳ないが我慢をしてもらおう、というものでした。確かに、市街地に建つ一軒家はBさんが築かれた財産ですので、Bさんが気の済むように相続させればいいとは思われましたが、家だけがあってもCさんには生活費を得るすべがなく、すぐに窮してしまうでしょうし、DさんやEさんに財産を遺さないというのも現実的(遺留分があるため)ではなく、Bさんが亡くなれば、どうしてもご兄弟がCさんをフォローしていく場面も増えていくということも考えれば、このプランはあまり良いものではないと思われました。
まず、家を売ることを宣言! そして、長男Cさんの収支プランを立てる
もし、Bさんが遺言をのこされずに亡くなった場合、Cさんがそのまま実家に住み続け生活費が捻出できず、ご兄弟のDさんやEさんは遺産を法定相続分だけ相続はできたものの、共有財産である実家を売りに出すこともできず、生活がままならないCさんをどのように遇するかという課題は残ったまま、というワーストな状況が出現します。そこで、Bさんには『家を売ると宣言』いただいて買い手を探し始めると同時に、一軒家を換価換金してから兄弟三人に分けるという換価型の遺言の作成を提案いたしました。その上で、Cさんにはグループホームへ移っていただくよう段取りをし、さらに、障害年金等を申請し毎月の収支を計算しました。これにより、Cさんが毎月必要な金額が明確になり、どれぐらいの現金をCさんに相続させれば暮らしていけるかがはっきりとしました。
漠然とした自分亡き後の不安がこれだけで随分と解消されたようで、Bさんの表情が目に見えて明るくなりました。さらに、必要であれば成年後見制度をゆくゆくは利用する旨をDさんやEさんにお約束いただき、具体的な対応策がいくつか出てきたことも良かったようです。
リスクはその正体(大抵はお金です)が分かるとその対応策も具体的に明らかになります。Cさんに必要な金額が分かったことで、DさんやEさんにもCさんとほぼ同じぐらいの財産を相続させることができ、そのことが、Cさんの行く末を兄弟として見守っていこうという意欲にも繋がったように思われます。もしこれが、Cさんが実家を独り占めしていたならば、こういう流れにはならなかったでしょう。
一番大切なことは、元気なうち(自らの意思表示がはっきりしているうち)に、早めに準備をしておくことです。早め早めに準備をしておけば、最良の結果を得る確率が格段にアップします。
まずは無料相談を 様々な分野の専門家がタッグを組んで対応いたします
今回のケースでは、BさんがひきこもりのCさんを家から出すという決断が、親心からなかなか踏み切れないというところから端を発しています。しかし、現状を変えなければ事態がより悪化すること、根本的な解決にはならないことなどを理解されることによって、決断をいただくことができました。そしてこのことは、Cさんの今後についても意義のあることであり、Cさんが今後DさんやEさんに経済的な負担を強いる可能性がほぼなくなったことを考えれば、DさんやEさんにとっても有意義なことであったと考えられます。
今回のケースを解決するには、ひきこもっている方の社会復帰を後押しするということだけではなく、相続不動産の共有状態の回避、障害年金の申請、適正価格での不動産売却、成年後見制度の活用など複数の分野にまたがった対応が必要だったと言えます。
『お金があればなんとかなる』ということはありません。お金があってもそれを活かして使わなければ数年で潰えてしまいます。また、知識と経験に基づいて上手に使ってこそ人を活かす使い方が可能になります。
これまで、8050問題はココ・ガーディが主に取り組む課題ではありませんでしたが、今回の経験を別のケースにも活かして取り組めればと考えております。
これからも、一つの大きな問題を俯瞰的にトータルに解決する方法をお客様と一緒に探して参ります。ご心配事がございましたら、ぜひ一度無料相談をご予約下さい。

